キミとオジサン

「いただきます」


オジサンが私の料理に箸をつけた


少し緊張した

口に合うかな?


「うん、うまいじゃん!」


「よかった
オジサン、いつも自分で作ってたの?」


「外食が多かったかな…」


「作ってくれる人いなかったの?」


「いたり、いなかったり…」


だよね…
オジサンかっこいいもん
今のところ、いい人だし


「オジサン、助けてくれてありがとう」


「昨日から思ってたけど
オジサン…て、失礼だな
オレ、まだ一応20代だけど…
助けたんだから
せめてオニイサンじゃない?」


あの状況で咄嗟に思いついたのが
オジサンの設定だった


暗かったし
スーツ着てたし
年上だな…ぐらいしか認識できなかった


「ごめんなさい
20代って…?
20から29まであるけど?」


「後半の方」


「へー…

オジサンから見たら、私って…子供?」


「…なに?急に
だって、キミから見たら
オレはオジサンなんだろ?

あ!キミ何歳?
まさか10代じゃないよね?
女子高生とか言わないよね?」


「残念でした!
20歳
ギリギリ20代
オジサンと同じ20代」


「なんだ…」


「女子高生が良かった?」


「逆!
キミが10代だったら、オレ捕まるだろ」


「そっか…」


「そっかじゃなくて…

でも2年前までは女子高生だったんだね」


2年前…


「オジサン、女子高生好き?
変なこと考えてる?」


「や!考えてないよ
性犯罪者見るような目で見るなよ

いや…あの頃よかったな…って…
いろいろあったけど
その頃が1番楽しかったな…って…
思い出しただけ」


「へー…」


私はあの夏から
恋してない


「あ、興味なさそうだね…」


「オジサン、彼女ずっといないの?」


「ソレ、聞く?」