キミとオジサン

「ただいま」


「おかえりなさい」


「いい匂いしたから
どこかと思ったら、うちだった
へー…キミ料理できるんだ」


「はい!
ずっと友達の家で作ってたから…
任せてください!」


「え…っと…
今日、誰か来るの?」


「え?誰かって…?」


「だって…この量
ふたりで食べれなくない?」


「あ…」


はりきりすぎて作れるもの全部作ってた


「でも、全部おいしそうじゃん」


オジサンが笑った


「冷蔵庫入れとくので
いつでも食べてください」


「なに?次の家、決まったの?
それで作り置きしてくれたとか?」


オジサンがネクタイを緩めながら言った


「いえ…まだ…」


「まぁ、いいや…
先にシャワーしてきてもいいかな?
そしたら食べよ」


「はい…」


だよね…

いつまでもここにいれないか