手の中にあったものをそのまま彼女に渡す。読み進めるにつれこちらからかなり不穏なオーラが出てくるのを確認し、これなら彼女たちに任せてもいいだろうと溜飲を下げる。


自分の手で制裁を下したいという思いもあるけれど、こういう場合は得てして異性からの方がダメージがあるものだ。しかも彼女なら間違いなく僕よりも上手くやるだろうという実績がある。



「僕はこれで失礼しよう。後は好きにすればいいよ」


「あらぁ、いいのかしらぁ?」


「君の方が向いているしね。あぁ、部下は置いていくから処理はこっちに任せてくれればいい」


「うふふっ、はぁい。貴方のそういうところ気に入ってるわよぉ?」



艶冶な笑みのまま彼女が懐から出したいくつもの鈍く光るものを横目で確認してから特になんの感慨もなくソファーから立ち上がる。後ろの連中はどこからともなく出したブルーシートを引いているのだからかなり派手なことになりそうだが問題はない。