ゆったりと足を組み替えてソファーの背もたれに寄りかかる。このだだっ広い倉庫の中にソファーがあるのは違和感があるが仕方ない。こういうことは人目のない自分の絶対的な領域の中で行わないと後々面倒なことになるからね。


倉庫の窓から明るい月の光が差し込んで明かりがなくても見渡せるぐらいだ。どうやら今日は満月らしい。彼女は田舎で過ごしていた時間が多かったからか、こういう日はよくお月見をしているんだよね。後でどうだったか他の人達に確認しないと。


ガタガタという不愉快な音で現実に戻る。あぁ、うん、そういえば今夜の用事を済ませてしまわないと。



「えぇっと名前は…まぁいいか。君みたいな存在は駆除しても何処からともなく湧き出してしまうからね」



ただ彼女に不利益を齎した存在がいたことだけ覚えておけばいいだろう。どうせ今夜が過ぎれば二度と会わないだろうし。有難いことに僕にも出来る部下がいるから上手いこと処理してくれるだろう。