放置子ーー振り返るな


あの子がつけたのか、一人悶々としながら習字の
飛び散りに眉が寄った。 


落ちない事の苛立たしさではなく、背中にびっしりとついた墨汁が嫌な連想をさせた。


いじめられてる?


ハルが?


「はる、学校大丈夫?」


「大丈夫だよ」


「何かあったらすぐに言ってね」


「分かった」



ニコニコするはるは、いつものはるだ。


安堵しきれないまま、汚れて落ちない制服は何着も捨ててきた。


先生は気づかないの?


背中にびっしりとついた墨汁を見れば見るほど腹がたった。

背中に自分でつけれるはずもなく、誰かがつけたに違いないのにはるも気づいていないのか、周りの子はなにもいわないのか。


正直怖くなった。


小学校という場所が。