兄妹 ～禁断の恋が動き出す運命の一夜～

顔を合わせてもなんとなく気まずく感じてしまって、距離を感じていた。

メニューを見るふりをしながら、蓮人の方をちらりと見る。

前よりも少しシャープになった顔。
はじめは違和感しか感じなかったスーツがすっかり似合う男性になっていた。
短髪をしっかりと固めて、相手に好印象を与えるような身なり。

大きなディスプレイの時計を確認する仕草にも、新鮮だからかどきどきしてしまう。

「ちゃんと食べてるのか？」
ふと私の方を見た蓮人と視線が合ってしまい気まずくて顔を下げる私。
「うん」
「嘘だな」
蓮人が住んでいる場所は実家から一駅離れた場所。
何度か遊びに行ったことはあるけれど、なんだか知らない人の空間に入ったようで居心地が悪くてすぐに帰った。