蓮人が告白にこたえないのは誰か好きな人がいるからだろうか。

その日の帰り道も、私は蓮人に何も聞けないままだった。

「優莉?なんかあった?」
黙って歩く私に蓮人が顔を覗いてくる。
「何でもない。」
「なんか様子、おかしいぞ?」
「何でもない。」
なぜか不機嫌な返事になってしまう自分。
ダメだと思いながら止められない。

「優莉」
「・・・っ?」
急に蓮人に手をつかまれて私は蓮人の体にぶつかる。
私がぶつかってもびくともしない蓮人。
「行こう」
「え?」