「優莉」
2限目の休み時間、私は廊下から呼ばれて視線を向ける。
「なに?」
そこに立っていたのは蓮人だ。
「悪い、世界史の教科書かして。」
「いいよー。」
世界史の教科書を持って蓮人の元へ向かうと、蓮人はお礼だと言って私の好きなチョコレートをくれる。
「サンキュ。じゃあな。」
いつものように、私の頭を撫でる蓮人。

「あんたたち、本当に仲いいよねー。」
彩乃が私の頭を蓮人の真似をして撫でる。
「優莉にしか見せないあの笑顔は罪よねー。」
美月まで便乗してくる。