私が入院してから何度も蓮人は私にプリンを作ってくれた。
どこか懐かしい味のするプリン。

「俺は親父みたいな父親になりたい。」
「・・・うん」
「俺たちの子にも、そんな風に思ってもらえるように頑張らないとな。」
微笑みながら蓮人が私のお腹に触れる。

私は大きな蓮人の手に自分の手を重ねながら思う。

「私も。本当のお母さんではないけど・・・お母さんみたいになりたい。あったかくて優しくて・・・。」
懐かしい記憶は蓮人も、私も同じだ。

「なれる。きっと。大丈夫。」
私たちは未来に期待をしながら、過去の温かさに包まれる。