「初めて親父と酒を飲んだんだ。その日は優莉が退院した日だった。」
薬の副反応に耐えながら、入院していた大学生活の終わりのころ。
蓮人への想いがこらえきれない私。
蓮人は私の想いを受け止めてくれた。

でも、退院してからはまた同じように距離をとられていた気がした。

知らない間に父と約束を交わしていた・・・。

すべてのパズルがぴったりとはまっていく。

「母さんは俺よりも先に、俺の想いに気づいてた。やっと白状したかって笑われたよ。」
懐かしそうに微笑む蓮人。

「それ以上は何も言わないまま、俺にプリンの作り方教えてくれたんだ。」