「俺、親父と約束したんだ。」
「え?」
いつものように仕事帰りに私の病室に来た蓮人。
スーツからラフな部屋着に着替えて、私のベッドに一緒に横になりながら蓮人が話し出した。

「優莉への想いを二人とも知ってた。」
「お父さんとお母さん?」
「そう」
まだまだ私たちには知らないことがある。
「決死の覚悟で言ったのに、反対するどころか、親父は大賛成でさ。」
「そうなの?」
「でも、俺の大切な一人娘の優莉を悲しませたり苦労させたら許さないって。だから、優莉を支えられるくらい早く自立して、苦労かけないくらいの稼ぎで守れるようになれって。それで自分の所に胸張って”優莉をくれ”って言いに来いって。」
「・・・知らなかった。」
まだ、父や母の話をすると涙が出てくる私。