蓮人の顔を見上げると、あの日の蓮人の涙を思い出す。
何度も何度も服の袖で涙を拭っていた蓮人。

「よし。あーそのまま横になってて」
体を起こそうとする私を制止すると、蓮人は台からおりて部屋の入り口にある部屋の明かりのボタンを押した。

真っ暗になった部屋。
なのに、暗くない。

「すごーい」
代わり映えのしない見慣れた天井が、変わっていた。

「どれどれ」
物音がして蓮人が私のベッドに入ってきたことがわかる。
「おーいいじゃん」
満足そうに私の横で天井を見上げる蓮人。