焦る気持ちと同時になぜか涙が溢れて止まらなくなった。

蓮人は私の手に自分の手を重ねたまま、私をまっすぐに見る。

「ごめんな。一人でしんどい思いさせて。ごめんな。」
何度も何度も謝りながら、私よりもつらそうな顔をしている。

「一人で・・・こんなになるまで・・・」
私は思わず首を横に振った。

こうなったのは私の責任だ。
私があの夜蓮人の優しさにすがってしまった。

あの夜、自分自身を保てなかった。
消えてしまいそうな自分を、蓮人のぬくもりで守ろうとしたのは私だ。