兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~

「彼女の望むことをなるべくかなえてあげてください。」
医師の言葉の後に、誰も言葉を出せないのはきっと私を想ってくれているからだ。

目を閉じたまま、私は聞こえていないふりをした。

気づかないふりをした。

母が声をあげて泣き始める。
父がきっと母の肩を抱いているのだろう。
優しく背中をさする音が聞こえる。

目を閉じたままの私。

温かなぬくもりを感じる。
熱のある私と同じくらい熱いこの手が誰の手だか私にはすぐにわかる。
蓮人の手だ。