兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~

「起きちゃっただろ」
蓮人に叱られて肩をすぼめる両親が私の方を見てくる。
「おはよう」
私が微笑みながら声をかけると「おはよう」と父も母も微笑みながら近づいてきた。

「今日が何の日か、忘れてないでしょうねー?」
「一年で一番大切な日だからな。」
入院してから平日と休日の感覚がない私。
両親が昼食前に病室に来るのは珍しくて、不思議がる。

「誕生日だろ?俺たちの。」
蓮人がそう言って笑った。

「久しぶりに家族4人そろっての誕生日ね。」
母の言葉にここ数年の誕生日を思い出す。