兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~

蓮人は椅子をシャワー室にセットすると私の方に近づいてきた。

布団をめくり、私の体をひょいっと抱き上げる。

抱き上げた瞬間、蓮人が切ない顔をしたのはきっと私が痩せたことに気が付いたからだろう。昔から、蓮人は私の痛みを私以上に痛がっていた。

抱き上げた私をシャワー室に用意した椅子に座らせた蓮人。
「ちょっと待ってろ?大丈夫か?」
椅子から私が落ちないか確認してから、蓮人はベッドの方に向かい毛布を持ってきてくれた。
「お待たせしました。いらっしゃいませー。」
こんな風にふざけるのも、まるで昔のようだ。

大学に入ってから急に距離をとっていた私たち。
4年近くの時間を私たちはまるで埋めるかのように、私が入院してからは一緒にいる。