両親がまだ生きていた時。
私が無理やり一人暮らしをすると決めた時。

両親も蓮人も私に何かがあったらすぐに駆け付けられるようにとカギを持っていた。

入院することもある私。
部屋から必要なものを運んだり何かとカギを持っていることは当然のように考えていた。

私も蓮人の部屋のカギを持っている。

「優莉?開けるぞ?」
今開けられたらすべてがばれてしまう。
慌てても、今私の体は全くいうことを聞いてくれない。

涙は止まるどころか、余計にあふれて、熱のある体はガタガタ震えている。