靴を脱ぎ、這うようにして玄関からリビングに向かって進もうとする。
でも、がくがくと手が震えてしまい進めない。

そのままいったん床に横になる。

このまま意識を手放してしまいたいけれどだめだ。

ちゃんとしないと。
ちゃんとしないと。

この命を守れるのは私しかいない。

ついさっきまで一緒にいた蓮人のことを思う。
すぐに会いたくなってしまう。
一度進みだした想いはコントロールできずどんどんと膨らんでいく。
声が聴きたい。
会いたい。

だけど・・・四十九日が終わったら蓮人とはもう会わない。