「何言ってんのよ。」
「いや、何となく。前から思ってた。それにもしかしたら優莉もって。」
修平はお見舞いに来る時、病室にいた蓮人と顔を合わせた瞬間表情を変えた。

「そんなわけないでしょ」
「俺もそう思おうって。ずっとずっと思い込もうって。でも、なんでだろうな、消せなかった。」
修平はうつむいて自分の手を見つめたまま話す。
「俺と一緒にいる時、優莉はいつの間にか俺の方を見てくれるようになってすっごくうれしかった。笑ってくれた時、頼ってくれた時。嬉しそうに俺に何かを話してくれた時、すっごいうれしくてさ。好きな人に振り向いてもらえるってこんなに満たされるんだ、うれしいんだって初めて知った。」
「・・・」
修平と一緒の時間は決して短くはない。
一緒に過ごした時間の分だけ思い出もたくさんある。