自分で自分を止められないなら、距離をとるしかない。

次の日の朝、私が部屋から出るとちょうど同じタイミングで蓮人が部屋から出て来た。

部屋が隣同士の私たち。
同じタイミングで部屋の扉を開けてしまった。

気まずいまま何も言わずに私は階段を降りる。
そしてまっすぐに洗面室に入ると、蓮人は私を避けるようにリビングへ向かう足音がした。

「優莉、結局病院行ってないんでしょ?」
母が私が支度している洗面室の扉を開ける。
「大丈夫。」
「大丈夫って、熱は?」
母が私に触れようとするのをかわして、私は支度を済ませてすぐに自分の部屋に向かった。