修平はそれから今まで以上に私から離れずにそばに居てくれた。
朝も私と一緒の電車に乗り込み、帰りも私を家まで送ってくれる。

申し訳なくなって、修平に断ろうとしても、叱られて終わってしまった。

蓮人や両親も修平のことを知っている。
私に起きた出来事を正直に話をすると、修平という存在に今は甘えて守ってもらうことが私の一番の安全だと考えたらしい。

現に、あの日握られた手はしばらくあざが消えないくらい、強い感情をぶつけられたものだった。

「ありがとう」
いつものように家の前まで送ってくれた修平。
「おう。じゃあな。」
ひらひらと手を振って帰っていく修平。