「いつももらってばっかり。」
そういう私に修平は「俺がそうしたいの。なんでか。」と笑いながら手を振って立ち去っていく。

「好きなの?」
蓮人が突然私に聞いてくる。
「んなわけないでしょ?」
「でも、なんで俺に隠れた?あれは警戒とは違ってたけど。」
「・・・何となく、危ない気がする。」
「何となく?」
「そう。修平は誰とでも距離が近いの。私、そういうの苦手。」
これ以上蓮人に質問されないようにと私は足を速める。

蓮人は私が聞かれたくないのだろうと悟り、家までの道を黙って歩き始めた。

後ろから車が来ると、すぐに私よりも長い足で早歩きして私に並び、守るように誘導してくれる蓮人。