「彼氏か?」
修平の言葉に慌てて否定する私。
「残念、兄です」
私が蓮人の方を見ると蓮人は愛想笑いを浮かべながら修平に、挨拶をする。
「どうも。兄です。」
修平も「大学の友人です。」と頭を下げる。
その姿が何となく違和感を感じて私は自然と蓮人の影に隠れる。

蓮人が後ろに隠れた私の方を見る。
視線で、この男は大丈夫なのか?と聞いてくる蓮人。
「前に」
「あー。」
私が誤解を解こうと蓮人に修平のことを伝えようとすると、蓮人がすぐにピンときたようで「その節は妹がお世話になりました。」と痴漢にあった時に助けてくれたのが修平だと認識したようだった。