「優莉」
名前を呼ばれて振り向くとそこには蓮人が私を駅で待っていた。
時々、帰宅する時間が近いと蓮人は駅で私を待っていてくれることがある。

私たちは駅から一緒に並んで歩きながら、途中でコンビニに寄っておやつや雑誌を買うことがある。

「デブになるぞ」
そう言って笑いながらプリンを選ぶ私の後ろに立つ蓮人。
「うるさいー。」
私が頬を膨らませながらもプリンを見ていると、「優莉」と蓮人とは違う声で名前を呼ばれた。

私のことを名前で呼び捨てする男の声は優莉か父か・・・あの人しかいない。

「修平」
「よっ」
「よっ」
いつものように返事をしながら振り返ると、そこには修平が立っていた。