「ほら」
腕をつかまれて強い力で引かれる私の体は簡単にその力に起こされる。

長い髪が顔にかかりながら、蓮人に腕をつかまれたままの私。
「行くぞ。」
ぐいっとまた手を引かれて私はベッドからやっと出る。
「おっと」
バランスを崩して、よろける私の体を、蓮人はぐいっと腕をひいてバランスをとり倒れないようにしてくれる。
「起きたか?大丈夫か?離すぞ?」
「・・・うん」
ぼさぼさの髪が視界を邪魔する。

「起きろー」
腕を離した手で蓮人が私の顔にかかった髪をよける。
「おはよう」
「・・・んー」
「おはようは?」
また、こうやってお兄ちゃんぶる。