「優莉~起きなさいよ~」
「んー・・・」
朝に弱い私。紅林優莉。

「蓮人、優莉も起こしてきて。」
部屋の外で聞こえる母の声に、私は頭まですっぽりと布団をかぶる。

『ガチャ』
部屋の扉の開く音。
「優莉、起きろ。」
すっかり低音になったその声。

「優莉」
少しずつ音の大きくなる目覚まし時計のように私を起こすのは、双子の兄、紅林蓮人。