熱いくらいの手。
少し遠慮がちに触れるその熱い手にすべてを委ねる。

一度だけ。
一度だけ。

何度も何度も自分に言い聞かせながら、その熱い手に委ねる。

想いも感情も。

全身を駆け巡る衝動も。

すべてを委ねる。


こんな風に自分以外の誰かにすべてを”ゆだねる”のは、彼以外いないと知りながら。