ベッドに仰向けに寝転び

身体中から力を抜く。



脱力感


虚無感


そんな言葉がピッタリだ。





友達の枠の中でも


特別だって思って


自分で満足してたんだろうな。





男友達って近いようで


断然、遠い。







野々瀬の心には


ずっと正村がいる。




俺は正村みたいに背が高いわけでもないし


野々瀬よりちょっと高いぐらいで


そんなに背も変わらない。




ずっとコンプレックスだった。





女ってやっぱ…背が高い男が良いだろうし


きっと野々瀬も…。




俺がもう少し身長があれば


自分に自信があれば


「好き」って言えてたのかな…。





「はぁ~」





虚しさは増すだけで

ため息をつき

壁に目を向けるように寝返りをうった。



それでも、俺なりに

やってきたつもりだったんだ。




だから…


「行くな」


そう言ったのに…。




俺の言葉は伝わらなかった。





聞こえてたけど


伝わらなかった。





それが


俺には全てだと思う。





俺は考える事を放棄して


目を…目蓋を…閉じた。