「ごめん。もうお前とは付き合えない。元気でな。」

フラれた。結婚を前提に付き合い始めて3年。
うまくいってると思ってたのに。
彼に嫌われたかもしれない。そう思うとまたため息。
いつものデートとは違う気がしてた。
慣れない服装に、この高級レストラン。


私はいつもそうだ。みんなに見下される。
みんなに嫌われる。私はまた、ひとりぼっちだ。
できる妹とできない私。みんな妹を支持する。
私はこの世界が嫌いだった。
そして、この世界も私を嫌いな気がした。


外は雨が降っていた。でも、そんなことは気にならないくらい、目の前が真っ暗になったんだ。
『そんなに暗い顔をするキミを、きっと笑顔にして見せるから』
あの時の約束を果たされる日はもう来ないんだね。
ただただ強くなる雨の中、頬を伝うものが雨粒なのか、涙なのかも分からないまま、ただ歩いていた。