「あのさ、俺の気のせいだったらいいんだけど……」
「なに?」
「菊月さんって、今、悩みごととかあるの?」
「えっ!? どうしてわかったの?」
私の心の内を読むなんて、葛葉くんはエスパーみたいだ。
「やっぱりそうだ。いつもなら俺と目が合うのに、今日はなんだか上の空ってかんじだったから、なにか考えごとでもしてるのかなと思って」
確かに、昨日の手紙のことを考えてはいたんだけど……。
まさか、葛葉くんに気づかれてしまうほど顔に出てたなんて。
なんだか恥ずかしい。
「俺でよかったら、話聞くけど?」
葛葉くんが私の相談に乗ってくれるなんて。
でも、3年生があまりいない3学期にわざわざ私の机に手紙を入れるってことは、私以外の人には手紙の内容を知られたくないのかもしれない。



