「菊月さん、だますような形になってごめん。でも、俺は菊月さんのことがずっと――」 「――好き」 たった2文字にありったけの気持ちをこめると、涙が頬を伝った。 シンくんが葛葉くんと同一人物だったことは、とても驚いたけれど、それ以上にうれしかったんだ。 だって――。 「私、葛葉くんことが好きなの。高校に入学したときからずっと……」