これは……私がシンくん宛に書いた手紙だ。


「俺は“シン”という名前を(いつわ)って、菊月さんと手紙のやりとりをしてたんだ」


嘘……こんなことって。


「いつ、この手紙を私の机の中に入れてたの?」

「菊月さんが登校するよりも早く来て、返事を書いてたんだ」


それって、私にシンくんの正体がバレないようにするためだったのかな?


そうだとしても――。


「どうして、そんなことを?」


だって、教室でも葛葉くんと話してたんだから、わざわざ手紙でやりとりをする必要なんてないはずなのに。