だれもいない階段やろう下に私の足音と息づかいだけが聞こえる。


「はぁ……」


目的地に着いて、大きく息をはく。


心臓がドキドキしてる。


だって、シンくんと会うのは、今日が初めてで……最後だから。


シンくんって、いったいどんな人なんだろう。


もう一度、深呼吸して――私は教室のドアを開けた。


「菊月さん、来てくれたんだね」


そう言って、私にほほ笑む人物に思わず目を見張った。