「じゃあ、今日は解散ーっ!」


「また明日も集まろうなー!」


「おうっ!」



どうやら今日は、お開きのようだ。


私も帰ろう。



カバンを持って、教室を出る準備をしようとした――そのとき。



葛葉くんが笑顔でこちらに手を振っているのが見えた。


これって、私にだよね?


半信半疑で、葛葉くんに手を振ってみる。


すると、葛葉くんはさらに笑顔を振りまいて、大きく手を振ってくれた。


心臓がドキッと音を立てる。


葛葉くん、私に気づいてくれたんだ。


すごくうれしい。



やっぱり、私は葛葉くんが好き。


でも、葛葉くんに自分の気持ちを伝えるつもりはない。


だって、フラれるのが目に見えているから。


それに、私が告白をすることで、葛葉くんを困らせなくない。


だから、高校を卒業したら、葛葉くんの片想いに終止符を打つ。



それまでは、葛葉くんを目に焼きつけておきたいんだ。