「は、はい! よろしくお願いします……あ、新先生」
どさくさにまぎれて、私も葛葉くんの名前を呼ぶ。
「じゃあ、さっそく授業を始めるね」
「はい」
単元は、二次関数だ。
1年生のときに習っているから、基本的な問題はすぐに解けた。
でも、応用になると、計算も複雑になってきて、グラフを書くのも難しい。
これ、どうやって解けばいいんだろう。
「どこかわからないところでもあった?」
頭を悩ませていると、葛葉くんが声をかけてくれた。
「はい、この問題なんですけど――」
遠慮なく葛葉くんに質問してみると、葛葉くんがわかりやすく解説してくれた。
それから、私がわからない問題にあたるたび、ヒントを出してくれた葛葉くん。
そのおかげで、最終的には自力で問題を解けるようになっていた。