「菊月さん」 ――背後から名前を呼ばれたので振り返ると、そこに葛葉くんがいた。 「く、葛葉くん!? どうしてここに?」 「今日は菊月さんの姿が見えなかったから来てみたんだ」 ――ドキッ……。 それって、私のことを探しに来てくれたってこと? 「菊月さん、なにしてたの?」 「え、えっと……」 どうしよう……。 葛葉くんにシンくんと手紙のやりとりをしてることを言ってしまったら、変に気を使われてしまうかもしれない。