私たちが卒業するまであと20日になったころ。


シンくんと手紙のやりとりをつづけているうちに、気づけばそれが日課になっていた。

今は敬語ではなく、タメ語でやりとりをしている。


シンくんもひとり暮らしするんだ。


私が住む予定の家には、家具一式はそろっているから楽だけど。

実家にある自分の荷物をまとめるのが、意外に大変だったりするんだよね。


シンくんの苦労がものすごくよくわかるよ。



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      ところで、
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     春花ちゃんは
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  大学生になったらバイトするの? 
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バイトかぁ……。

それ自体に興味はあるし、いつかしたいと思ってる。

でも、まだ具体的になにをしたいのかは決まってない。


シンくんは、どんなバイトするのか決まってるのかな。


シンくんに手紙を書き終えて、いつものように自分の席にそれを入れる。



すると――。