葛葉くんと私の出会いは、高校入試のとき。
たまたま私の隣の席で受験をしていたのが、葛葉くんだった。
だけど、入試が始まる直前で、葛葉くんは消しゴムを忘れたのか焦っている様子だったので、私は自分の消しゴムをハサミで半分に切って、葛葉くんにあげたんだ。
それから、私と葛葉くんは今の学校に合格。
葛葉くんとは、高校3年間同じクラスになったことはなかったけれど、廊下ですれちがったときは、あいさつしたり。
2年生からあった選択授業では2年間同じクラスだったので、ときどき他愛のない話をしたりしていた。
そうしているうちに、私はいつの間にか葛葉くんを好きになっていたんだ。
それは今でも変わらない、私の初恋。
葛葉くんがバスケをしているところを、教室から見守る。
するとしばらくして、葛葉くんが放ったボールは、きれいな弧を描きながら、ゴールに吸いこまれていた。
それからも、チームメイトと協力をしながら、次々とゴールを決めていく葛葉くん。
葛葉くん、スゴい……。
確か、中学はバスケ部だったんだよね。
足のケガのせいで、高校は帰宅部だったみたいだけど。
こうしてバスケをしてるってことは、きっと今でも好きなんだろうな。