rion side 「ただいまー」 「「お邪魔します」」 父ちゃんと母ちゃんはまだ仕事。 「おかえりー…っ!」 奏音は桃真に気付くと走って部屋に行ってしまった。 「待って!奏音、聞いて…」 俺は奏音の部屋の扉に優しく触れる。 「帰って貰って!」 「奏音!」 「帰って!帰って!!帰ってよ…」 震える奏音の声。 「ごめん…」 奏音に泣かれると俺は何も出来なくなってしまう。 ほんとは俺が救い出したいのに。 「ごめん…」