「奏音!ゆづのバック忘れてるぞ」 「あ、ごめん!ありがとう」 あたしの双子の弟の璃音(rion)。 「じゃ、またあとで」 「はーい!」 璃音とは喧嘩した記憶が無い。 それぐらい昔から仲がいい。 ゆづの面倒もよく見てくれる。 ベビーカーに荷物を乗せて…っと。 「いってきます!」 「いってらっしゃーい」 母ちゃんの声を背にあたしは家を出た。