「な、なんでもないっ」 改めて見ると綺麗な顔しているなぁって見惚れてたなんて言えない。 降りるまで少しの時間。 ずっとドキドキしてた。 桃真に聞こえちゃうんじゃないかってくらい。 「ん」 桃真は手を出してきた。 「はぐれないように!人多いから!!」 そう言ってあたしの手をとって歩き出した桃真。 あたしは手を握り返した。 「えっ...」 桃真は振り返ったけどすぐにまた歩き出した。