「だから、僕と、美優は一回会ってるんだよ」

『ごめん。もっと、早く気づきたかった。』

「いいよいいよ。大丈夫。」

『なんかごめんね。」

美優は申し訳なさそうにしていたけれど、僕はなんとも思わなかった。

今日は言いたいことを全部言わないといけないと思ったから、僕は美優にずっと言いたかったことを言う。

「あ、そうそう。ねぇ、美優。いきなりな話してもいい?」

『え、うん』











「――僕は美優がずっと好きだよ」









僕がずっと前から美優は特別で、優しくて、僕を助けてくれた人。

なんで、暴走族なんかに入っちゃったんだろう。

今も後悔している。

誘われたからだっかだろうか。それはあまり記憶にない。

でも、美優への告白は後悔なんてしていない。


『え、透真、、、』



『あのさ、私も透真が一番気になった人なんだ。昔、東京で会った子が透真だったなら、』






『―私も透真が好きだったよ。私なんかに相談いっぱいしてくれて、すごい嬉しかった。』



「僕もその時から」

『じゃあ、、、』

「だから」

僕は美優の言葉を遮った。

「僕は、雨を降らせる。」

『え、、、。ちょっと待ってよ、、、。私は、もういいよっ、、、!』

「美優に恩を返したい」

『待って、』

僕は通話を切った。美優から何度か電話がかかってきたけど、出なかった。

でも、美優のためなんだ。







だから、今日も僕は雨を降らせる。