鼻血くらい自分で対処出来るが、琴音が心配そうに介抱してくれるからつい甘えてしまう。


「…大丈夫?体調良くなかった?」

「そういうわけじゃないから大丈夫……ありがとう…止まったから洗うついでにシャワー浴びてくる…ももこの事よろしく」


鼻血を出しながらも風呂上がりの琴音の匂いとかしっかり堪能してやった。



…冷たいシャワー浴びて一旦落ち着こう。



速やかにシャワーを浴びて気持ちを整える。



今夜はもう鼻血出さない。
琴音に触らない。
別々の部屋で寝る。


冷たいシャワーを浴びながら自分にそう言い聞かせた。


前は琴音をからかう事で抑えられたけど、俺って好きな気持ち溢れ過ぎると歯止め効かなくなるんだな…


自分でも初めて知った。


風呂を出てリビングに戻ると琴音とももこが遊んでいて、この可愛過ぎるコンビにまた胸がギュンとなる。


「シャワー早かったね?」

「あぁ…鼻血の後だしな」

「そっか」

「……何か面白い番組やってねぇかな」


琴音の隣りに座りながら気を紛らわす為にテレビを点ける。


何か、俺いつもテレビに頼ってんな?


テレビを点けた瞬間ちょうど有名なホラー映画の一番怖いシーンが流れている。


これ有名な割に怖くないんだよな…


「ふわぁっ!?やだ!やだっ!チャンネル変えてっ!」

「えっ?わりっ!」


琴音は俺の腕に抱き着いて画面を見ないようにしていて、俺はもう片方の手で急いでテレビを消した。