入ってきた琴音の姿を見て持っていたブラシをボトッと落とした。


琴音がブカブカの俺の服を着ていて、ズボンを腰の所で手で押さえている。


その姿が……堪らなくて、今夜腕を縛って寝ようか考えてしまう。


「あ…あの……もう少し小さいのある?ズボンヒモが無くて……わっ」


腰紐を取ってしまっていたズボンはズルっと琴音の足元に落ちた。
Tシャツがワンピースの様になってるから下着が見えたわけではないが、それだけで俺の中の色んな感情が刺激されまくる。


「もうー…Tシャツだけでも下まで隠れてるしこれでいいや、やっぱり嵐の服大きいね…へへっ」


琴音はそう言いながら脱げてしまったズボンを畳んだ。


一方で理性を保つだけで必死な俺はブラシを拾うだけで精一杯だった。


……琴音の風呂上がりの姿見ただけでこんな余裕のなくなる俺があの夜酔っ払っていたとはいえ本当に琴音に手を出したのか?


ブラシを拾って顔を上げると鼻の奥がツンとした。


「嵐っ…鼻から血が!」

「え?うぉっ!」


嘘だろ…


興奮して鼻血出すとかありえねぇ!


琴音がすかさずテーブルの上にあったティッシュで俺の鼻を押さえて対処してくれた。