そして、俺を止めたのは理性ではなくデリバリーのピザだった。
夢中になってキスをしていると、インターフォンが鳴って唇を離した。
「……ごめん」
「えっと……」
「ピザ取りいってくる…」
散々キスをしてたくせに唇が離れると妙に気まずくなって、俺は急いでデリバリーのピザを玄関に取りに行った。
ピザを取りに行って戻ると、琴音が何となくムスッとしているような気がする。
……もしかしていくら琴音が拒否しないからってキスし過ぎたか?
琴音はピザを食べている間もいつもなら食べ物を食べている時は美味しーとか言いながら楽しそうに食べるのに食べ物の匂いにつられてやって来たももこを撫でるだけで何も言わない。
まずい…調子に乗り過ぎた…。
俺の事今は嫌いではないと思うけど、俺と同じ気持ちではないし、あんながっついたキスなんかしたら引くよな…
「琴音……その…」
「…ん?」
「さっきの……ごめん……」
「……それ嫌っ」
琴音はムッとした顔をしてそう言った。
ムッとした顔も可愛いんだけど、今はそれどころじゃない…
「え?どれ?」
「キスした後謝るの!私が嫌々してあげてるみたいじゃん……嫌だったらちゃんと嫌って言うもん…」
琴音はそう言いながら何か照れたみたいでまた頬を紅く染めた。