「ねぇ!昨日の夜、私達本当に…したの?」

「ごめん…それは俺にもわからない…俺も昨日、ブラウニーに入ってた洋酒に酔ってからの記憶ない…昨日の事は俺も想定外だった」

「そっか…」



山田君の静止も聞かずに二人してバクバク食べまくってたから…



しかも二人共お酒に弱かったなんて。



春野は顔を押さえて大きくため息をついた。



「……琴音に手出したと思って…いや、出したのかもしれないけど…かなりてんぱって彼氏面してごめん」

「ううんっ!それは大丈夫!そのおかげで春野の意地悪じゃない一面見れたし」

「……琴音さっき断られたところでしつこいのはわかってる!もう一回チャンスくれないか!?一学期の終業式まで俺と付き合って欲しい!それまでに俺の事好きになれなかったらキッパリ諦める…琴音の事簡単に諦めたくない」


春野はすごく真剣な顔で私を見つめる。



こんなに真剣に…力強く私の事を想ってくれる人と初めて出会った。



春野の事本当に無理だと思うならどうしようなんて思わないはずだ。


「えっと…お試しで付き合ってみるって事?」

「あぁ、今までそれらしい雰囲気なかったし…その方が俺とちゃんと付き合った後のイメージしやすいだろ?琴音が嫌がる事は絶対しないから!」


山田君の事を好きだという気持ちがなくなったわけではないけど、今日春野と一緒に過ごして不覚にも春野に惹かれ始めている自分がいて……


「…うん…わかった。よろしくお願いします」

「いいのか!?やった!ありがとう!」



私は、春野とお試しで付き合う事になった。