春色の恋−カナコ−[完]

「あ、買い物…」

冷蔵庫の中身が空に近かったことを思い出し、雑誌のほかにお弁当の本もお買い上げ。

電車に乗る前に携帯電話を確認したけど、まだ連絡はないようなので自宅近くのスーパーで買い物をしてから帰宅した。

「ただいまー」

高校に入学してから、こうして誰もいない家へ帰宅することが多くなった私。

あの頃は、学校から一人の家へ帰るのがつらくて、自宅へ帰らずに隣の竹内さんのお宅へ直接帰っていたっけ。

短大へ進学した私と違い、4年制大学へ通っているハナちゃん。

彼女はまだ大学生だけど、今でも仲良しで会えなくても毎日のようにメールや電話をしている。

買ってきたものを冷蔵庫に片付け、そのまま夕飯を作っておくことにした。

お気に入りのエプロンをつけて材料を刻んでいく。

今日もおにいちゃんは帰りが遅いのかな…。

一通り夕飯が出来上がり、あとは仕上げをするだけの状態にしておく。

いつも20時頃にはおにいちゃんからメールが入ってきて、何時に帰るのかわかるんだけど。

帰宅時間がわからない時もメールだけはくれることになっているので、夕飯を食べるのもその連絡を待ってからにしていた。