春色の恋−カナコ−[完]

「おはようございます」

「おはよう」

にっこり笑って新聞を読んでいる河合さんの横で、寝起きのお父さんがコーヒーを飲んでいて。

なんだか不思議な景色…。

お父さんと河合さんが並んでいるのも不思議だけど、それも朝って。

お母さんを手伝い朝食の準備ができると、皆で一緒に食卓について。

「いただきます!」

昨夜のようにお酒は入っていないけど、皆で盛り上がる朝食は、なんだかとっても幸せ。

食後のコーヒーまで飲んでしばらくゆっくりしてから、着替えるために河合さんが家へ帰ることになった。

そのままデートをしようかと誘われて、私も一緒に家を出ることにして。

「いつでも来てくださいね。またごはんも食べに来て」

「何から何までありがとうございました」


皆に見送られながら家を出て、河合さんの家へと向かう。

道中も会話は途切れなくて、今までよりも河合さんが近くに感じるのは気のせいかな?

「今日はどこへ行きたい?」

河合さんのマンションについて、着替えが終わったころ。

お茶を飲んで一服していた私の横へ来て、淹れたてのお茶を河合さんが口にした。

「あ、服が欲しいんですよ」

「服?」