春色の恋−カナコ−[完]

いつも通り早くに起きたらおにいちゃんがもう起きていて。

「おはよ」

いつもより気持ち小声で声をかけると、寝ていた和室をちらっと見てからおはようと言ってくれた。

二人で家を出て近所を走る。

こうやって一緒に朝走るのも、ひょっとしてあと数えるほどしかできないの?

いくらなんでも、そんなに早くはないかな。

一人でそんな事を考えていると、突然足をゆるめたおにいちゃんにぶつかりそうになってしまった。

「危ないよぉ」

「はは。ちょっと休憩しようか」

いつもよるのとは違う、小さな公園に入っていくおにいちゃんについていく。

あれ?

この公園、見覚えがあるかも。

「覚えてるか?よくハナちゃんとカナコをここへ連れて来たんだけど」

「あ!滑り台!懐かしい!」

高くて、くねくねしている滑り台のあるこの公園が大好きで、よくおにいちゃんに連れてきてもらっていたんだ。