春色の恋−カナコ−[完]

「お父さんとお母さんのお許しを得ることができたら、今すぐにでも一緒になりたいと思っています」

「えっ」

笑っているのかと思ったら、真剣な顔でお母さんを見ている河合さんの言葉に驚いてしまって思わず声を出してしまった。

だって、今すぐにでもって…。

「まあまあ、ふふ。カナコよかったねぇ」

結局。

お母さんと河合さんの会話は私にはよくわからなくて。

式は海外がいいとか、国内で派手にやるとか。

好きなようにしゃべっているお母さんを止めないと、本当に式場まで決めてしまいそうな勢いで。

「何かで前でも取る?それかどこか食べに行こうか」

そんな二人の会話を聞きながら、いつの間に戻ってきたのかリビングの扉に寄りかかるようにしておにいちゃんが電話を持っていた。

「ああ、出前にしようか」

家なら帰りの心配をしなくてもいいしな、なんていいながら、冷蔵庫からビールを出してきたお父さんに、私は慌ててキッチンへ向かいつまみになりそうなものをいくつか冷蔵庫から取り出す。

お皿に盛りつけて持っていく頃には、お父さんとおにいちゃん、河合さんは飲んでいて。

「カナコも飲む?」

おにいちゃんがグラスをくれたので、一口だけもらうことにした。

河合さんのことがすっかり気に入ったお母さんは、一緒になって飲みながらちゃっかり河合さんの隣に座ってお酌したりしていて。

私の座る場所を取られてしまったので、空いていたお父さんの隣に座ることにした。